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エンコーダは、モータの速度とポジショニングを正確に制御するためのフィードバックを提供します。ポル テスキャップは関連技術を考察し、お使いの用途に最適なエンコーダの選定方法を説明します。
医療用輸液器具の各ポンプで正確な量のインスリンが確実に投与できるように、また製造アセンブリで使 用されるロボットアームが適切なタイミングで正確な位置に移動できるように、電動モータにエンコーダを 組み合わせる必要があります。ロータリーエンコーダまたはシャフトエンコーダは、モータの位置、回転数カ ウント、速度、および方向に関する情報を提供する電気機械装置であり、プログラマブルロジックコントロー ラ(PLC)などの制御装置を備えたアプリケーションに接続されています。PLCは、一般に「フィードバック」とし て知られるエンコーダからの情報を使用して、モータ制御に確固たる精度を保証します。
エンコーダ技術
エンコーダの代表的なタイプとしてインクリメンタル方式とアブソリュート方式があります。インクリメンタル エンコーダは、特定の点を参照するのではなく、フィードバックをリアルタイムに識別して位置と方向の変化 に関連する動きを正確に追跡します。これは、連続的な高/低フィードバックパルスを用いて位置間における 相対的な移動に関するフィードバックを提供することによって実現します。アブソリュートエンコーダは絶対 位置を示すことができます。しかし、複雑さが増すためにコストが高くなり、ほとんどのアプリケーションで インクリメンタルエンコーダの方がコスト効率が高くなります。インクリメンタルエンコーダに特定用途向け 集積回路(ASIC)などのインターフェイスを追加することで、正確な位置参照機能を追加することもできます。
エンコーダのセンサは通常、光学原理または磁気原理で動作します。光学式エンコーダは、LEDから放射 された赤外線を透明および不透明な部分を備えた金属製コードホイールを通過させ、光電子工学センサに よって受信される独自の光信号を生成します。この技術により、光学式エンコーダは高い精度で正確な位置 決めが可能になります。高精度というだけでなく、 ポルテスキャップのE9などの光学式エンコーダで 測定する場合は、潜在的な磁気干渉の影響を受け ることはありません。
一方、磁気式エンコーダには、円周が多数の極で 囲まれた磁化ディスクが採用されています。ディス クが回転すると、センサは電圧の変化を監視する ホール効果装置によって測定されるように、磁場の 変化を検出します。ポルテスキャップのMR2のよう な磁気式エンコーダは、衝撃を受けたり、異物が 侵入したりする可能性がある要求の厳しいアプリ ケーションでの使用に最適です。例えば、MR2磁気 式エンコーダは、温度や望ましくない外部磁界の 影響を受けにくいのが特長です。
エンコーダの動作原理
エンコーダが回転すると、通常互いに位相が90度 ずれている2つの方形波出力信号(AおよびB)が生成 されます。AおよびBから出力される位相の動きを 測定することで、エンコーダの方向を判断すること ができます。移動距離または速度を測定するにあ たり、エンコーダの分解能も考慮する必要があり ます。分解能とは、シャフト1回転(360度)内にある 測定点の数で、デューティサイクルまたはピリオド とも呼ばれます。一般的に、1回転あたりのライン (LPR)または1回転あたりのパルス(PPR)と呼ばれる点 の数が多いほど測定精度は高くなります。たとえ ば、ポルテスキャップのM-Sense磁気式エンコーダ は、コンパクトな設計で1回転あたり最大1,024ライ ン数を備えています。
出力AとBはハイとローの間で切り替わります。これ により、2ビットの情報は、各ラインまたはパルスに 対して4倍のカウント数を生成します。これは直交 デコーディングとして知られています。これにより、 直交デコーディングで分解能を最大4倍まで上げる ことができます。たとえば、MR 2エンコーダの512ラ インを2048のカウント数またはステップ角度に変え ることができます。AおよびBの2つの出力チャネル だけでなく、基準位置を決定するために使用できる 第3のチャネルZが含まれる場合があります。
エンコーダの用途
エンコーダがモータ制御にフィードバックを提供 する方法を学ぶことで、さまざまなアプリケーショ ンで使用されるエンコーダの重要性を理解できま す。最初のインスリン投与の例では、薬物送達シス テムは、特定の速度で正確な量の薬剤を投与でき ることが求められるため、エンコーダは正確な用 量が送達されることを確認するために使用されま す。また、この例では、ライン数を増やしエンコー ダの分解能を上げることで、流量に対する精度を 最大限高めることができることも示しています。
ロボット用グリッパは、例えば製造過程において、 比較的デリケートな部品を取り扱う場面で使用で きます。部品の損傷を防ぐために、適切な圧力と 速度で部品を扱うことが重要です。 ロボットのグ リッパ機能は扱う部品に合わせて、エンコーダによ るモータの速度と位置のモーションコントロールで最適化されています。同様に、電子機器のアセンブリにおけるピックアンドプレースアプリケーションでは、PCB部品のサイズと重量を迅速かつ繰り返し検出して正確に配置するために、高速モーションコントロールが求められます。エンコーダは、この高速で高精度な制御を可能にし、生産性と製造品質を保証します。