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小型モータはHVACシステムのダンパー制御など、さまざまな用途で使用されています。ダンパーは、ダ クト内の空気の流れを調整するシンプルな機構です。手動ダンパーはダクトの外側にあるハンドルで 調整します。一方、自動ダンパーは絶えず空気の流れを調整し、サーモスタットまたはビルオートメー ションシステムによって制御される電気または空圧モータによって動作します。外付けの電気ダンパーアク チュエータを設計する場合、考慮すべき主要な小型モータの設計要素があります。
電気ダンパーのロータリアクチュエータは、次の3つのタイプに分類されます。
1. | スプリングリターン式スプリングの力で、ダンパーを必要な位置(閉/ 開)に戻すことができます。 |
2. | 非スプリングリターン式電力損失時でも既存の位置を保持できます。 |
3. | 電気式フェイルセーフ 蓄積されたエネルギーをモータに放出するスー パーキャパシタを使用して、電力損失時にアクチュエータを開閉駆動し ます。(図1) |
より正確な制御のために、ダンパーアクチュエータを2つの位置または変調に さらに分類することができます。ダンパーの調整が季節ごとの場合(年に2、3 回)、2つの位置の手動制御が正しい選択肢になります。より頻繫(例えば、毎 日)の調整が必要な場合は、電動モータを備えた自動電気ダンパーが好ましい 選択肢になります。
電動アクチュエータの小型モーションソリューションを決定する際には、次のような必要性に対してモータを カスタマイズできるかどうかを最初に確認します。
• | 必要な制御精度でダンパーを所定位置に保持するために、モータ/リニアアクチュエータがどの程度の トルク/力を伝達する必要があるか |
• | モータはさまざまな温度に耐えられるか |
• | HVACサイクルに耐えるようにモータのコンポーネントがカスタマイズできるかどうか |
• | モータはHVAC環境で確実に動作することが証明されているか |
• | 一体型ダンパー位置のフィードバックを達成するためにモータはフィードバックを提供できるか |
過酷な温度および繰返し負荷のためのロータ設計
HVACアプリケーションのダンパーアクチュエータ 専用にカスタマイズされたモータでは、ロータの 設計が重要となります。ダンパーアクチュエータ内 では、モータは様々な熱的条件下で始動および停 止します。その際、ロータおよび他の内部構成部品 に付加的な熱機械的応力が加わります。ロータ設 計に使用される非線形材料の機械的特性は、温度 の影響を受けます。したがって、高温または準周囲 温度の条件下に対するロータの信頼性は、材料お よびその熱特性、特に熱膨張係数(CTE)に依存し ます。(図2)
線形および非線形の材料ベースアセンブリの選定は困難です。接着剤のような非線形性材料の性能は、材料 の化学的性質や加工パラメータに大きく依存します。特定のセラミック磁石のグレードの選定は、状況をより 複雑にします。(図3)
考慮すべきもう1つの重要な点は、現場での適切なパフォーマンスを確認するための設計検証です。設計 は、 温度、湿度、特定の負荷条件などの静的な環境条件下で検証できます。設計で決定した材料スキームでは、こ れらの要因がすでに考慮されています。しかし、シミュレーションまたは分析試験による 経時的なモータ性 能の決定には、動的条件下(急激な温度、湿度、負荷の変化、または複数のパラメータの組み合わせ)での材 料の性能検証が必要になります。一例として、ポルテスキャップでは、ロータアセンブリがアプリケーション の厳しい要件を満たすことを確認するために、環境チャンバおよびオーブン内の温度加速および熱衝撃条件 下でロータアセンブリを検証しています。また、特定の温度下におけるロータの機械的強度を軸力とねじり力 試験により見極めました。特定の温度条件での用途におけるモータの使用寿命は、寿命加速試験によってさ らに高い精度で予測が可能です。試験はアプリケーションの必要性に合わせて、負荷/無負荷条件で実施されます。
認定試験による設計検証
図4 - ステッピングモータの急速熱サイクル
ブラシレスDCモータ
ステッピングモータは、電気作動式ダンパで使用できる優れた技術的な選択肢であり、ブラシレスDCモータよりもコスト面で優れています。また、一般的なダンパー用途においてはブラシレスDCモータの優れた可変速能力は必要になりません。
結論
適したステッピングモータの選定は、ダンパー作動時の空気の流れを効率的に制御するために重要になります。そのため、ステッピングモータの複数の構成が利用されています。多くの場合、弊社ではステッピングモータをカスタマイズすることでこのような要望に対応しており、価格対性能の観点からHVACアクチュエータ市場では、同製品が最適な選択肢となっています。
また、この分野では度重なる故障は費用と負担を増加させる可能性があるため、モータの設計に対する信頼性も極めて重要です。HVACアプリケーションでの動作ポイントをよりよく理解することは、設計および検証段階で重要な要件に対処するのに役立ちます。