Browse News Categories
ポルテスキャップの小型モータは、スマートな外科手術ツールシステムにおいて、如何にパワーがあるか知ってください
高齢化人口には多くの医学的疾患が伴います。変形性関節症もそのひとつです。これは最も一般的な膝関節炎の一種です。変形性関節症は、進行が非常に遅い変性疾患で、関節軟骨が徐々に摩耗していきます。他に発症する可能性のある膝関節炎には、リウマチ性関節炎と外傷後関節炎があります。手術を行わない治療で関節炎の改善が見られない場合、患者さんは関節鏡視下手術を受けなければならない場合があります。アトランタにあるアメリカ疾病管理予防センターとノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者は、85歳までに少なくとも片膝に変形性関節症の症状が発症するリスクを45.5%と推定しています。ほぼ2人に1人が85歳になる前に膝の変形性関節症を発症しています。
Blue Belt Technologiesは、部分的な膝関節置換向けの低侵襲的ソリューションを提供する革新的な 「スマートドリル」手術システム、すなわち、整形外科的処置を発表しました。
現在、部分的な膝関節置換手術の2~5%が、1年以内に再手術が必要となります。理由としては、アライメント不良、インプラントの移動が考えられますが、患者さんが術後も痛みを感じていることが理由である場合もあります。
インプラントを正確な位置に留置できれば、「耐久性を実現でき、患者さんが長期にわたり再手術なく生活できるでしょう」とピッツバーグ大学医療センター(UPMC)のマギー・ウィメンズ病院の骨/関節専門のセンターの医師であり、Blue Beltの科学諮問委員会に所属する整形外科医、Brian Hamlin医師は話し ます。
NavioPFS™は、画像を使用しない高性能術中計画・ナビゲーションシステムと手で持って操作できるNavioPFSハンドピースを組み合わせたものです。NavioPFSハンドピースは、手術現場でのロボット工学における新たな発展を代表する手術用ツールです。このインテリジェントなツールは、NavioPFSに内蔵されている手術ナビゲーションシステム経由でリアルタイムに追跡されます。また、NavioPFSも膝関節手術中、患者さんの骨をリアルタイムで追跡します。医師が、インタラクティブな3Dソフトウェアを使用して手術の計画を立て、インテリジェントなハンドピースを使用して、立てた計画を実行します。
このハンドピースを使用すると、医師が切骨できるのは、患者さんの関節の三次元再構成において、自らが計画した部位のみとなります。ハンドピースが自由空間で移動中、Portescapのモータは、回転するバーが固定したガードを超えないよう1秒間に何十回も調節を行います。患者さんの体内にアクセスするため、医師のコントロール下でハンドピースが自由に空間を移動できる一方、ソフトウェア内の複数のインテリジェントなアルゴリズムが骨の表面を切除し置換するツールの機能を常に調節します。このため、この技術は、Precision Freehand Sculpting(精度の高いフリーハンド切骨)の頭文字をとりPFS技術 と呼ばれています。これは、医師の操作に関わらず、ツールが決して境界線の外を切骨しないようにするために医師が計画 ソフトウェアを使用して描くことのできる仮想の境界線のようなものだと考え得られます。この技術は、臨床的に熟練した医師の手にロボット工学の精度を導入できるため、NavioPFSは、市場で最も高性能な整形外科用のロボットを利用した技術となります。
NavioPFS整形外科手術システムの開発での課題のひとつは、小型のエンベロープ(12.7mm)で正確な位置制御(0.01mm)を実現するための厳しい要件を満たすことができる高性能小型モーションコントロ
ールソリューションを見つけることでした。さらに、モータはオートクレーブ対応である必要がありました。Portescapのスロット付きブラシレス滅菌モータが、設計技師により提案されました。このモータは、医療機器の滅菌条件を念頭に設計され、1000回を優に超えるオートクレーブサイクルに対してテストされており、現場で実証されたクラス最高の製品寿命を提供します。
Motion solution that move life forward
Portescapの設計技師は、カスタマイズしたソリューションを開発するため、Blue Belt Technologiesのチームと協力して取り組みを行いました。Blue Belt Technologiesの ニーズをすべて満たすことができるモータを選択することが、最も厳しい要件でした。 Blue Belt Technologiesの技術は、手術で使用する製品ラインの製品であったため、 ハンドピースを滅菌し、再度使用することを可能にするモータを提供する必要がありました。そこでB0512オートクレーブ対応スロット付きDCブラシレスモータが提案されました。「システムの慣性と加速度は短い収縮時間を確保するために極めて重要であるため、このモータの組み合わせが選ばれました」とPortescapの医療プロジェクトマネージャーLouis Monginは話します。Portescapは、48時間以内にプロトタイプを配送し、 ギアヘッドなど追加の電子機器に関するアドバイスを提供し、サポートを行うことができました。
「この市場において、小型モータとコントローラが、次第に重要な機能を担うようになることを大いに期待しています」とPortescapの医療市場部門ディレクターLoic Lachenalは話します。「全体的に見て、 Portescapは当社のニーズに合った完璧なソリューションを見つけるため、当社にサポートを提供する上で非常に対応が早かったです。当社のNavioPFSシステムで機能する最適なモータを判断するため、何度も設計に関するコミュニケーションを行い、広範囲にわたって当社と共に取り組んでくれました。検討したモータの中に、当社の要件すべてを満たすことができるモータは他にひとつもありませんでした」と Blue Belt Technologiesの機械エンジニアAdam Hahn氏は話します。
「Portescapは、最高の品質と性能を実現する新たなモータを設計することにより、手術用ハンドツールの市場の今後のニーズを満たすため絶え間なく尽力しています。また、来年にはこの市場において、新たに革新的なモータソリューションを発表する予定です」とLoic Lachenalは話します。特定の用途に 合 わせた製品の最適化など医療市場向けのPortescapのソリューションに関する詳細 情報に関心のある企業様は、Portescapセールスエンジニアまでお問い合わせくださ い。
スロット付きブラシレスモータのメリット: スロット付きブラシレスモータは、内周に沿って軸方向に切り込んだスロットに 配置した巻線を有する積層鋼ラミネーションによるステータを使用しています。 強化された熱放散、高トルク密度、および高い加速度を実現させます。
|
モータの技術と特徴
医療機器向けの小型モーションソリューションをお探しになる場合、様々な要件が山 ほどあり、非常に大変だと思われるかもしれません。エンドユーザーの要件を満たす ため、何度もパラメータ間で妥協が必要になる場合があります。エンジニアの皆様 は、技術によってもたらされた機能や長所に関して学ぶことでメリットを得ることがで き、学んだことをより効率的にモーションソリューションを選択するために役立てられ ます。